Memo.87 (Sound of November 2018)
■Tracks
10.New oil deals「veloceでまた会いましょう」
[Japan, Pop]
09.BOYCOLD「YOUTH! (feat. BewhY, HAON, COOGIE)」
[Korea, HipHop]
08.YMG「Go Crazy (feat. WILYWNKA, FARMHOUSE & 唾奇)」
[Japan, HipHop]
07.Potatohead People「Morning Sun (feat. Nanna.B)」
[Canada, Jazz/Electronic]
06.Yaeji「One More」
[Korea, Pop]
05.PAELLAS「Weight」
[Japan, Indie]
04.Refugeecamp「Blooms on the groove feat. SALU」
[Japan, HipHop]
03.DREAMCATCHER「Wonderland」
[Korea, Pop]
Dal Shabetの所属するHappy Face Entertainmentの7人組による最新EPから。韓国では珍しいバンドサウンドを大きくフィーチャーしたグループなことでも知られているが、現行R&Bをうまく取り込みしっとりと展開するこの曲が話題に。コンセプトからは外れるが作曲陣(Ollounder/LEEZ)の違った方向性ももっと聞いてみたいので別ユニットを作ってもいいのではと思ったり。
02.Age Factory「million」
[Japan, Alternative]
奈良の3人組バンドによる最新アルバムから。この曲が本当に素晴しい。オルタナティブロックの範囲では収まらないニュースクール的叙情さも感じるし、何より清水エイスケの癖のある歌声が耳に残る。ここまで "歌" として素晴しいものは久しぶりに聞いたように思う。日本においてもこれほどまでにブラックミュージック全盛期となった今、彼らのようなロックバンドがおもしろくならない訳がないし、ただのジェネリックものが蔓延る日本の音楽シーンは茨の道だろうが構わずイキりながら進んでほしい。
01.IZ*ONE「La Vie en Rose」
[Korea, Pop]
PRODUCE101と48グループの日韓共同企画PRODUCE48改めIZ*ONE (アイズワン) のデビューEPから。日本からは宮脇咲良、本田仁美、 矢吹奈子が選ばれ48グループでの活動を一旦休止することになったのも話題だが、「NEKKOYA」を筆頭にオーディション時点から評判の高かった楽曲も相変わらず◎。トロピカルハウス/EDMを軸に現行K-Popらしくキャッチーに展開するサウンドはここまでお膳立てされた彼女たちのハードルを軽く飛び越えるものになったが、チャートアクション的にはすぐTWICEに一蹴されてしまったのが少し気の毒。
■Albums
10.Louis Cole「Time」
[UnitedStates, Jazz/Electronic]
09.SAKA-SAMA「It's A SAKA-SAMA World」
[Japan, Pop]
08.TENDOUJI「FABBY CLUB」
[Japan, Indie]
07.Shurkn Pap「Pap's Building」
[Japan, HipHop]
06.SUSHIBOYS「350」
[Japan, HipHop]
05.中村佳穂「AINOU」
[Japan, Pop]
04.LANDMVRKS「Fantasy」
[France, PostHardcore]
03.maco marets「KINO」
[Japan, HipHop]
福岡出身、現在は東京を拠点に活動するラッパーによる2ndアルバム。目覚ましの音で始まり、先行リリースされた「Hum!」「Summerluck」など彼らしい落ち着いたテンションの曲が並ぶアルバムは、眠たい目をこすりながら無理やり起きて出勤するなんてことない日々のスキマにそっと寄り添うように生活をナイスに彩ってくれる。珍しく女性シンガーとの絡みのある「Who You Are」を聞くと彼の幅広い友好関係を活かしたアルバムも聞いてみたいと思ったり(次作を早く作りたいと言っていたので)。あと帰省がてらバイミーとかでライブをやってくれないかとちょっと期待もしている。
02.神門「エール」
[Japan, HipHop]
純文学HIP HOPと称されることもあった神戸出身のラッパー(今も鹿児島在住?)による9thアルバムは、彼と出会ったセルフタイトルアルバムを彷彿とさせるようなバラエティ溢れるアルバムに。街中で見かけた優しさの光景を描く「光景」だけでも十分彼らしさが溢れていて泣き笑いしそうになるが、贈り物に対してめんどくさい思考を巡らせる「土産」、対人関係におけるスイッチについてめんどくさい思考を巡らせる「スイッチ」などなどこんなリピートしづらい曲作ってどうするんやと思いまた笑ってしまう。評価の低かった近年の作品について向き合う「泥寧」や現在進行形のラブソング「夫婦」、チラ裏感すごいラスト「半径」までユーモアを混ぜつつ生きづらそうな不器用さがにじみ出た彼のこういうラップが聞きたかったんだと思いながらリピート。封印していたライブ活動も解禁、ようやく彼のライブを観ることができるのが楽しみ。
01.KID FRESINO「ai qing」
[Japan, HipHop]
毎年この時期は化け物みたいなアルバムが出るが今年はこれだった。バンドサウンドと融合した前作「Salve」、スティールパン+変拍子ビートな先行曲「Coincidence」や近年のコラボなどから予想できたように、バンドサウンドからハウスまで国内ラップにおいても異質な実験的サウンドが並ぶアルバムに。サウンド面の詳細な説明は彼のインタビューを読むのが早いが、Somewhereのイメージから脱却させ新たなアプローチをみせたフレシノバンドによる「Nothing is still」とケンモチヒデフミによるFla$hBackS「Way too nice」が本当に素晴しい。いつか彼はラップをやめるのではと思わせる言動を度々みせてくるが、ラップという表現からの脱却の一路としてこのアルバムが生まれたのだとしたら本当にとんでもない才能だ。