Memo.97 (Sound of July 2019)
■Tracks
10.STUTS, BIM, RYO-Z「マジックアワー」
[Japan, HipHop]
09.Hitode Filaments「Pendulum」
[Japan, DreamPop]
08.でんぱ組.inc「形而上学的、魔法」
[Japan, Pop]
07.YUNGYU「Dreaming feat. SKOLOR」
[Japan, HipHop]
06.nafla, Loopy, Lee Young Ji & Pluma「I'm the One」
[Korea, HipHop]
05.DPR CREAM「Color Drive」
[Korea, HipHop]
04.Make Major「Regret」
[UnitedStates, LoFi/HipHop]
03.HEIZE「We Don't Talk Together (feat. Giriboy)」
[Korea, Soul]
今年3月に1stフルをリリースしたばかりのHEIZE嬢新曲はプロデュースにBTSのSUGAを迎え、ギリボイくんと邂逅させつつ王道メロウ路線で攻めた間違いない一曲。少し違和感も覚えるラストのピアノがとてもドラマティックだがSUGAによる演奏とのこと。
02.Altopalo「Mud」
[UnitedStates, Experimental/Soul]
一部で熱狂的なファンを持つNYの4人組による最新曲。100 gecsを筆頭に昨今のトレンドにもなっているオルタナティブヒップホップ的手法で多ジャンルを混ぜ合わせつつも極力音数を絞ったダウナーポップに振りきった素晴らしい一曲。このサウンドを4人でどういう分担で演奏しているのかわからないが、バンドだからこそ生まれたのだろうと思える温かみも感じられておもしろい。
01.君島大空「散瞳」
3月にリリースされた「午後の反射光」が話題を呼び一気にネクストブレイクな存在となったSSWによる最新曲。"瞳孔に光が容赦なく差し込む様相" を表現したというこの曲は前作が反射光であったことも踏まえかなりキャッチーに明の部分をさらけ出したように思える。フリッパーズが引き合いに出されるのも納得だが、もっと現行っぽいさとうもかぐぐぐ辺りのメルヘンポップに近い感じもする。「午後の反射光」から短いスパンでのリリースに驚かされたが、これくらいのスピード感じゃないと今の時代おもしろくないなと思ってしまう。
■Albums
10.MaisonDe「Because Of Summer」
[Japan, HipHop]
09.Makeunder「Pale Cicada」
[UnitedStates, Experimental]
08.Body Meat「Truck Music」
[UnitedStates, Electronic]
07.Lil Nas X「7」
[UnitedStates, HipHop]
06.NyQuilCaps「Vaccines」
[Japan, HipHop]
05.NYAI「HAO」
[Japan, PowerPop]
04.Ed Sheeran「No.6 Collaborations Project」
[UnitedKingdom, Pop]
03.Jacob Collier「Djesse Vol. 2」
[UnitedKingdom, Pop]
ひとり多重録音したカバー動画で話題となったロンドンのマルチプレイヤー ジェイコブ・コリアーによるDjesseと銘打たれた4部作プロジェクトの2作目。先行で公開されていた「Moon River」カバーは彼の十八番なアプローチでまさにワンマンオーケストラと称されるに相応しい出来となっていて何回聞いても鳥肌が立ってしまう。冒頭から目まぐるしく展開する「Sky Above」や鍵盤ハーモニカまで飛び出す「It Don't Matter」、The Beatlesのカバー「Here Comes the Sun」からSteve Vai先生とセッションする「Do You Feel Love」まで、ジャズや民族音楽のエッセンスも取り込み溢れ出てくるアイデアを詰め込んだ素晴らしい一枚。NPRの人気企画Tiny Desk Concertでのライブアレンジも素晴らしかった。
02.Charlotte is Mine「IN SOMEWHERE NIGHTS」
[Japan, Indie]
東京の男女2人組インディロック シャーロットイズマインによる1stフル。ドリームポップ色強い幻想的な「Somewhere」からエモーショナルに夜明けへと向かう「Moon at Morning」へ着地することがあらかじめ決められたように奏でられる曲達。前半の清涼感ある「Swirling」「Polaris」といった曲から、後半のエモーションが爆発する「night night, sleep tight」「absent」といった曲まで、エモ/シューゲイズ/USインディからの影響を落とし込んだサウンド、幻想的で透明感あるハイトーンと力強い低音まで多彩に表現するボーカル、アルバム一枚としての物語を感じさせる構成まで文句なしで今年の代表作と呼べる一枚。NOT WONKはじめ海外の盛り上がりと共鳴するように国内インディも盛り上がりはじめているが、女性ボーカル全盛の海外と並べても遜色ないバンドが出てきた。彼女達のライブは今年中に一度観ておきたい。出来れば吉祥寺WARPで。
01.Chance The Rapper「The Big Day」
[UnitedStates, HipHop]
我らがChance The Rapperによる正式デビューアルバム。全22曲77分という大作となった本作、「ACID RAP」を初めて聞いたときを思い出させてくれるような「All Day Long」から始まり、Death Cab for Cutieをフィーチャーした「Do You Remember」、時オカサンプリングのしっとりとした「We Go High」、NJSライクな「I Got You (Always and Forever)」まで一気に前半を駆け抜ける。後半もFrancis and the Lightsをフィーチャーした「The Big Day」、Brandyネタの「Ballin Flossin」、後半にFootwork的展開をみせる「Found a Good One (Single No More)」などなどアンセミックな曲が詰め込まれた期待以上の傑作。トレンドなサウンドと化してしまったSave Money印なサックス使いやゴスペル展開は控えめに、Trap的なアプローチもみせ賛否両論を呼んだりとチャンスの人間味が見え隠れするところもおもしろい。サマソニでみた「Same Drugs」での笑顔が忘れられないので一刻も早い再来日を。