Memo.102 (2019 Best Tracks)

40.大森靖子「LOW hAPPYENDROLL --少女のままで死ぬ-- feat. 平賀さち枝
[Japan, Pop]
若手女性監督による15本のオムニバス映画「21世紀の女の子」でラスト15作目のバックで流れていたこの曲。焦燥感とエモーショナルさがエスカレートしていく曲展開も、同じメロディに異なる歌詞と感情を乗せる2人のかけ合いも、大森靖子の一方的な思いも含め本当に素晴らしい曲だと思いつつ、大森靖子が歌う少女賛歌は男であるぼくには数パーセントも理解できてないのだろうなと寂しく思ったりもする。



39.Jay Park & Woo「ENGINE (Prod. By CODE KUNST)」
[Korea, HipHop]
CODE KUNSTプロデュースで社長ジェボムとSMTM6でも話題となったWooのAOMGコラボ。4つ打ちビートにキャッチーなサックスがアクセントで絡みつつラップに合わせて上ネタで遊びまくるビートが楽しい。AOMGはpunchnelloやLocoのアルバムも充実していたし相変わらず多作ながら高いクオリティで楽しませてくれる。



38.DPR CREAM「Color Drive」
[Korea, Soul]
クリエイティブ集団DPRのプロデューサーDPR CREAMのボーカルデビューシングル。跳ねるようなビートにCREAMの心地よいボーカルが乗る気持ちいいアッパーチューン。続く「Gravity」はロックテイスト強めなサウンドをDPR LIVEと共作しクルーとしての作品も期待したくなる。



37.Vampire Weekend「Father of the Bride」
[UnitedStates, Indie]
名盤「Modern Vampires of the City」から5年ぶりとなった新作「Father of the Bride」からの先行シングル。前作からの5年で音楽業界も世界情勢も大きく変化を遂げているが、春の芽吹きを感じさせるオーガニックなサウンドは変わらぬまま歌詞の内容的には彼らなりのプロテスト・ソングなのかと考えさせられる面もあり、何にせよ素晴らしい楽曲と共に戻ってきてくれて本当に嬉しい。



36.George Clanton & Nick Hexum「Crash Pad / King for a Day」
[UnitedStates, Electronic/Vaporwave]
ESPRIT 空想ことGeorge Clantonとベテランミクスチャーバンド311のNick Hexumによるコラボシングル。彼にとってのヒーローが311だというGeorge Clantonとしては念願のコラボだが、ラップ調のボーカルとギターが耳を引くミクスチャー色強い「Crash Pad」と00年代オルタナみもある「King for a Day」とどちらも違った一面をみせてくれる素晴らしいシングル。彼の主宰レーベル100% ELECTRONICAの活動やユリイカでの特集などこのタイミングでまた注目を集めているVaporwaveというジャンル、ここまで生き延びるとは。



35.Friday Night Plans「All The Dots」
[Japan, Soul]
Taeyoung Boyとの「Ain't Nothing」で話題を呼んだ新鋭シンガーによる2nd EPから。PERIMETRONによるMVも話題のこの曲は、序盤のLofi Hiphop感から徐々に広げるように展開する変則的ビートとどこか陰の空気が漂う彼女の歌声がマッチしていて、歌ものLofi Hiphopとしての新しいアプローチも垣間見える良曲。



34.HAIM「Summer Girl」
[UnitedStates, Indie]
カルフォルニア出身の姉妹バンドによる最新シングルから。前作からは「Want You Back」が話題になった彼女達、Lou Reedがインスパイア元になったというこの曲ではそのフレーズを引用しつつJazzy Hip Hopのテイストも取り込んだ気持ちいい曲に。同シングル収録の「Now I'm In It」も良かったし来年はアルバムにも期待。



33.Age Factory「CLOSE EYE」
[Japan, Alternative/Hardcore]
前作「GOLD」が話題となった奈良の3人組によるシングル。前作までは骨太で焦燥感あるオルタナティブロックというイメージも強かった彼らだが、この曲では問題提起のように言葉を羅列したハードコア/ラップメタル感あるアプローチ。こういうアプローチであればJIN DOGG辺りとも相性が良いのでは?と思ってしまった。



32.Fever「Password」
[Thailand, Pop]
TOKYO IDOL FESTIVAL主催のフェスmini TIF in BANGKOKでトリを務めたタイの12人組アイドルグループ。Vaporwave/Future Funkや海外を中心とするシティポップブームの影響が感じられるサウンドで日本のアイドルシーンでも話題に。忠実に再現されたアーバンサウンドにソロダンスが目に浮かぶサックスパートまで、判定に厳しいEspecia警察も彼女たちのことは認めた模様。



31.tipToe.「特別じゃない私たちの物語」
[Japan, Pop]
6人組アイドルグループtipToe.の現体制ラストアルバムから、"私" から "私たち" へ変わった物語の最終ページを切り取ったようなセンチメンタルな一曲。一緒に青春しませんか?がコンセプトの彼女たちが問いかける "これを青い春と呼ぶのでしょうか" という言葉から、彼女たちにとってかけがえない青春そのものをtipToe.に費やしてくれていたことを考えてしまう。



30.lyrical school「Enough is school」
[Japan, Pop/Rap]
ここに来てグループとしての充実度を増している5人組アイドルラップグループによる最新作「BE KIND REWIND」から。踊Foot WorksからPecoriとTondenheyをプロデュースに迎えたこの曲はフックもフロウも完全に踊Foot Works印なキラーチューンに (特にverse2はまんま)。Pecoriによるデモも公開され話題に。SUSHIBOYSとの「シャープペンシル」も良かったし彼女たちは現行ラッパーとの絡みがおもしろい。



29.Mellow Mellow「WANING MOON」
[Japan, Pop]
さんみゅ~のメンバー擁する3人組ボーカル&ダンスユニットによる4thシングル。過ぎていく時間や変わっていく現状をタイトル通り欠けていく月になぞらえた歌詞に、フィロソフィーのダンス等を手がける宮野弦士による軽快なポップンソウルなサウンドが儚げにマッチしている。シングルも4枚目ということで来年はアルバムにも期待。



28.Farewell, My L.U.V「gloomy girl」
[Japan, Soul]
名古屋を拠点に活動するガールズダンス&ボーカルユニット通称フェアラブのアルバム先行曲。低年齢グループが対バン相手やイベンターに舐められないために作ったというこの曲、トマパイ辺りの楽曲派 (死語か) を彷彿とさせる懐かしいサウンドでおじさん達がざわついているのも納得。しかしこの曲でリードボーカルを取っているメンバーは脱退しているらしく残念。



27.Volumes「Until the End」
[UnitedStates, ProgressiveMetalcore]
Fearless Records所属LAのDjent/メタルコアバンドによる新作「Coming Clean」からMVにもなったこの曲。Interludeから繋がるこの曲はDisperse以降のモードを踏襲しコーラスのサンプリングを入れつつもアグレッシブに展開していく新しいアプローチで特に際立っていた。サンクララッパーがポストハードコアに影響を受けていたことを公言するケースが増えじわじわとこの手のサウンド復権してきている模様。



26.Altopalo「Mud」
[UnitedStates, Experimental/Soul]
一部で熱狂的なファンを持つNYの4人組による最新曲。100 gecsを筆頭に昨今のトレンドにもなっているオルタナティブヒップホップ的手法で多ジャンルを混ぜ合わせつつも極力音数を絞ったダウナーポップに振りきった素晴らしい一曲。このサウンドを4人でどういう分担で演奏しているのかわからないが、バンドだからこそ生まれたのだろうと思える温かみも感じられておもしろい。



25.GXXD (Girlnexxtdoor)「Bellboy (feat. Sik-K, Coogie)」
[Korea, HipHop]
SMエンタ傘下Million Market所属のプロデュースデュオGXXDのデビューシングルから。SMTM777出演でも話題のCoogieと安定したメロウなラップとフックを聞かせてくれるSik-Kが組んだ間違いない一曲。Sik-Kは同シングルの「Come in」にも参加、1stフル「FL1P」をリリース後のシングルでまたGXXDと組んだ極上メロウな「WHY YOU?」をリリース。JP The Wavyとの「Just A Lil Bit」では日本語でのラップをみせたりと今年も活動的な一年に。



24.クボタカイ「ベッドタイムキャンディー2号」
[Japan, HipHop]
Ano(t)raksからリリースされた福岡在住ラッパーの2ndデモ「305」から。サホリちゃんが中洲を練り歩くMVも最高なこの曲は、フックの気持ち良さもありつつ現行寄りの歌うようなフロウで上手くいかない男女の関係を描いたい一曲。平成の次の元号キャラメルフラペチーノ「平成少女」などEPの他の曲も素晴らしかったが大人の事情で配信停止してしまったのが残念。



23.YOHLU「SHEEP」
[Japan, Soul]
福岡発フューチャーソウルユニットYOHLU (ヨール) による第3弾配信シングル。「SKIRT」「SEASON」に続いてリリースされたこの曲は、それまでの方向性を踏襲するミニマルなサウンドにフックで静かに高揚する展開が心地よい決定打的一曲に。melotronmelonやJAM the MOD時代から彼らのことを知っているだけにそろそろ1stアルバムも期待したいところ。



22.週末CITY PLAY BOYZ「FOUND」
[Japan, HipHop]
OMAKE-CLUB所属、福岡の4人組による1stフル「Tonight.」からMVにもなっているこの曲。Samm Henshaw「Broke」使いのアッパーなトラックに四者がゆるっとしたラップを乗せるが中でもbillのフロウがとても心地よい。アルバムではTHCTSUBAMEプロデュース「You & Me feat.Calli Stephus」からこの曲への流れが素晴らしかった。Pen Publicのアート方面の仕事も含め来年も福岡のトレンドは彼らが引っ張っていきそう。



21.kZm「But She Cries」
[Japan, HipHop]
YENTOWNの最年少ラッパーkZmの最新曲。プロデュースはもちろんChaki Zulu、MVはCDSのHeiyuu作でタイトルはverdyに衣装はBOTTと周辺の仲間を集めたこの曲。サウンド面では歌うようなフロウに00年代のDAを彷彿とさせたり (JUBEEの影響?)、「Yuki Nakajo」ではVaVaをプロデュースに迎えたりと昨年に引き続きCDS周辺と双方向の良い影響を感じさせる。



20.Junction Three「ギリギリジャンプ」
[Japan, HipHop]
小倉を拠点とするDAOとRiッキーによるユニット。すでに10万回再生と話題のこの曲、キャッチーなフックとビートで現行ぽさを感じさせつつもラップはスタンダードなスタイルなのがおもしろいしMVに見覚えのある小倉の街並みが使われていて無条件で上がってしまう。その後アップされた「きっときっと大丈夫」も公開1ヶ月経たず3万回再生と今後の活動にかなり期待。



19.Mall Boyz「mallin' (Tomggg Remix)」
[Japan, HipHop/Electronic]
ラップスタァ誕生への出演でも話題のTohjiとgummyboyによるユニットMall Boyzが昨年リリースした同曲のぐぐぐリミックス。フッドらしいフッドがなくてもショッピングモールへ集うという原体験は皆持っているというコンセプトの元、ショッピングモールで遊ぶ様子をラップしたこの曲。原曲ではblink-182をサンプリングしたタイプビートだったが、このリミックスではメルヘンなぐぐぐビートと無骨なラップとのアンマッチさが逆にそれぞれを引き立たせていておもしろかった。


18.Mura Masa「No Hope Generation」
[UnitedKingdom, NewWave]
来年リリース予定のアルバム「R.Y.C」からの先行曲。タイトル通り希望のない時代に生きていることに対する不満をNew Waveを彷彿とさせるキャッチーなサウンドに乗せ歌うことで悲劇/喜劇の二面性を表しているようにも感じられる。既に公開されているClairoやslowthaiとのコラボ曲も素晴らしいし来年のアルバムに期待。



17.slowthai「Doorman」
[UnitedKingdom, HipHop]
ノーサンプトンのラッパー スロータイのデビューアルバム「Nothing Great About Britain」から。Mura Masaとのコラボとなったこの曲はパンキッシュなサウンドに独特のフロウ (吃音気味とのこと) でイギリスの抱える貧困格差にも言及した一曲。TrainspottingライクなMVもおもしろい。Mura Masaは先述した曲でもよりUKバンド寄りのサウンドへシフトしているしロンドン以外のシーンもおもしろくなってきた。



16.MON/KU「mickey?」
[Japan, Pop]
22歳栃木県在住宅録アーティストMON/KUによる4曲目。作曲をはじめてまだ数ヶ月ということもあり特に情報もないままSoundcloudでアップされる曲だけ一人歩きし話題になっていた彼、一聴して化け物かと思った。アップされている他の曲と比べるとかなり音数も多くアッパーに展開する曲だが、どこかメロディはV系 (一時期のL'Arc~en~Ciel) を彷彿とさせたりと情報量が多いにも関わらずポップス枠に収まりそうなバランス感がすごい。サブスクリプションでEPをリリース後もサンクラへ次々曲をアップするなど製作ペースも衰えず、彼を筆頭とする下北沢440カウントダウン勢が来年の顔になるのは間違いない。


15.maeshima soshi「Nicole (feat. maco marets)」
[Japan, HipHop]
City Your Cityのk-overをフィーチャーした「slide」も話題になったササクレクトのプロデューサーmaeshima soshiによる2ndシングル。ある夏の夜クラブで出会った男女のワンシーンを切り取るmaco maretsのラップと、ギターループが心地よいトラックの相性が抜群。彼の夏の歌として室見川と並ぶほど気に入ってしまった。maco maretsは今年に入ってLITEやTOSHIKI HAYASHI (%C) などの客演仕事に加えソロ作もリリースと活発だった。



14.SKY-HI×SALU「Goodbye To The System」
[Japan, HipHop]
国内人気ラッパーによるコラボ2作目から。Sik-Kらの仕事でも知られている韓国トッププロデューサーGroovyRoomとの日韓初?コラボを実現させたことも素晴らしいが、韓国トレンドなメロウなサウンドと歌うようなフロウを見事に日本語でも再現させた2人のスキルも圧巻。前述したWavyとSik-Kのコラボ然り日韓ラップが大きく近づいた年でもあった。



13.桜エビ~ず「それは月曜日の9時のように」
[Japan, Pop]
12ヶ月連続シングルリリースも話題を呼んだスタダ所属桜エビ~ずによるONIGAWARA (ex-竹内電気) プロデュースの一曲。タイトル通り月9ドラマのオマージュを散りばめた王道シティポップ系アイドルサウンドで高揚感溢れるサビにもグッと来るし、ジャケットにパ音のマーチなどで知られているki_moi起用のアプローチもおもしろい。コンパイルしたアルバム「octave」もリリースしたが、ukkaへと改名というサプライズもありまた来年の動きにも期待がかかる。



12.DJ Khaled「Higher (feat. Nipsey Hussle & John Legend)」
[UnitedStates, HipHop]
Tyler, the Creatorとのチャートバトルに僅差で破れたDJキャレドの新作「Father of Asahd」から。ゴスペル調コーラスをループさせた多幸感溢れるトラックにJohn Legendによるフック、そして先日惜しくも命を落としたニプシーをこの曲で起用したことも何かの意味があるように感じてしまう (家族についてラップする中でも、マニは10歳 クロスは2歳になったという歌詞がとてもやるせない気持ちになる)。2verse目のビートチェンジもクールでこれだけアンセミックな曲を3分以内にまとめるところも今っぽい。



11.Samm Henshaw「Church (feat. EARTHGANG)」
[UnitedKingdom, Soul]
南ロンドンのソウルシンガーによるシングル。自身もツアーサポートを務めたChance The Rapper~Brasstracks以降のモードを彷彿とさせるサックス使いのトラックにキャッチーなフックが爽快で、TVCMに起用されたりと日本でもはやくも注目されている。デビューアルバムも準備中とのことでリリースされれば一気にブレイク間違いなし。



10.black midi「953」
[UnitedKingdom, Indie]
Fontaines D.C.と並び今UKでもっとも注目されている4人組によるデビューアルバムから。入りからマスロック感全開でニヤけてしまうが、フックとなるフレーズを組み合わせて曲を構築しつつ最終的には衝動に任せきったように展開していく構成が素晴らしい (基本的に作曲はインプロで行うとのこと)。すでに各メディアのベストアルバムレースでは上位にランクイン。今年のUKは先述した2バンドをプロデュースしたDan Careyの年になったなと。



09.パソコン音楽クラブ「reiji no machi」
[Japan, Dance/Electronic]
tofubeats監修のTTHWなどでも知られてる2人組による最新作「Night Flow」から。90年代シンセサイザーを使ったサウンドに定評のある彼ら、代表曲「Inner Blue」に続きイノウエワラビをボーカルに迎えレトロフューチャー感あるサウンドで午前0時の静かな情景を切り取る。彼らを筆頭に関西トラックメイカー勢には今年本当に楽しませてもらった。



08.ヱスケー「うまくやれ」
[Japan, HipHop]
TOKYO TOGARI NEZUMIのラッパー/プロデューサーによる最新作「同じ気持ちでいるのは難しい」から。周りのようにうまくやれない自らの性格を俯瞰しつつリリカルに綴った1曲。"盛り上がる輪の中で一人だけ先に冷めてしまったと気付いてしまった時の孤独" "自分の範囲が狭いことは自慢にならない なんでも楽しめる奴はやっぱり強い" などなど思い当たるようなラインで次々に殴られる。日常を綴るブログにスッと差し込まれた言葉が刺さって抜けない時があるが、ヱスケーの歌詞はまさにブログの文章のようにも感じるしこれこそがリリカルだと思う。



07.SuperM「Jopping」
[Korea, Pop/Electronic]
SMエンタ所属EXO、SHINeeNCT、WayVより選抜された7名によるSuperMのデビュー作から。"The Avengers of K-Pop" と称される彼ら、実際にアベンジャーズのテーマをサンプリングしたこの曲はSMの音楽性を支えたヨンジンやLDN Noiseらも名を連ねるSM帝国万歳なフロア向けチューン。EPの中ではSHINee感強い「2 Fast」も良かった。f(x)の終了や不穏な話題も多いがSMの素晴らしさは楽曲完成度だと改めて思わされる。



06.DJ RYOW「no talk zone feat. JIN DOGG」
[Japan, HipHop]
関西トラップとして特集が組まれるほど盛り上がっているシーンの中心人物JIN DOGG。狂気じみたアグレッシブなスタイルではなくこの曲では冷たく淡々とこぼすラップをみせるがそれが逆に緊張感を生み出している。FFⅧのシリアスなトラックや証言ネタを入れてくるリリックまで随所にトピックが詰められているところもおもしろい。DJ RYOWは手裏剣やRIRIまで幅広い人脈を活かした最新作「DREAMS AND NIGHTMARES」もおもしろかった。



05.BLACK BASS「LOOOP」
[Japan, HipHop]
現役慶應義塾大学生の7人組アートコレクティブによる2nd EPから。アンビエントに影響を受けたようなKRICKの浮遊感あるビートに、XBSよりエクストラベースなGERAとハイトーンoTTsとのラップも対照的でおもしろい (見た目と声が完全に逆)。大阪MOMENT JOONによるリミックスも話題に。EPも5曲15分と短いながら充実した内容で、その後もシングルを多数リリースするなどタイミング次第で一気にブレイクもありえる注目株。



04.iri「Wonderland」
[Japan, Soul]
ソウルフルなボーカルで現行シーンを代表する存在となった逗子のSSWによる3rdフルから。フックのきいたシングル型楽曲が多めだったこれまでとは違いシンプルなアプローチへ挑戦した新作も素晴らしかったが、その中でもピスタチオのESME MORIとの共作が特に際立っていた (エズミはchelmicoSwitch」も手がけていたが振り幅がすごすぎる)。シンプルなピアノ/ドラムループのトラックに彼女の歌の強さと安定したフック作りのうまさでキャリアを更新した素晴らしい一曲。



03.Lucky Kilimanjaro「HOUSE」
[Japan, Electronic/Pop]
東京の6人組エレクトロポップバンドによる4ヶ月連続リリースシングルの第2弾。BPM125で始まるイントロからフロア向けのハウスチューンかと思いきや、ひたすらに家 (HOUSE) で音楽を楽しむことを奨励したインドア派音楽好き賛歌になっていて笑ってしまう。彼らの曲はとにかく外でも家でもいいからみんなを踊らせたいという気持ちが前面に出まくっていて清々しい。来年はアルバムリリースも控えているし、ぼくも彼らが踊らせてくれるのを待ってる。



02.SKOLOR & Raq「Timeflies」
[Japan, HipHop]
YUNGYU & FUTURISTIC SWAVERとの「4G」がヒットした韓国のラッパーSKOLOR (TYOS3L) と、週一リリースの傍らライター活動も話題のRAqとのコラボ (クレジットにはないがジメサギも参加)。いつの間にか大人になってしまったという青年期の喪失を描くテーマも、時代に左右されないオーセンティックなスタイルもネットラップ出自らしさがあってニヤけてしまう。「WKND」も良かったしコラボアルバムも作成中とのことなので期待。



01.片想い「2019年のサヨナラ (リリーへ)」
[Japan, HipHop]
2019年のベストトラックはこれ以外ない。カクバリズムの8人組バンド片想いがハマケン主役のドラマ主題歌として、以前からライブで披露されていた「2017年のサヨナラ(リリーへ)」を2019年版として録り直した曲。相変わらず大きな愛に満ちたアンセミックな曲を作るのが本当にうまいし、この曲を2019年の年末に聞かなくてどうする (シンさんの1日でも早い回復を祈ってます)。