Memo.72 (2017 Best Tracks)

50.RAU DEF「STARZ feat. PUNPEE」
[Japan, HipHop]
完全にカムバックした感のあるラウデフ新作から。PUNPEEプロデュースによる極上のフックとビートで完全にやられてしまう。自身のアルバムリリース前にこんな曲を持ってくるPの底知れなさ。


49.Higher Brothers x Famous Dex「Made In China」
[China, HipHop]
今年のヒップホップを語る上で外せない存在。ステレオイメージなアジア人を具現化したようなビジュアルから繰り出されるコミカルなフロウは世界から注目されるのも納得。彼らに加えインドネシアからはRich Chiggaとアジア勢の躍進が目に見えるようになった年でもあった。


48.either「In my room」
[Japan, Indie]
東京の青春発墓場行きバンドによるライブ会場限定シングルから。甘酸っぱいインディ/パワーポップ感あるサウンドにシンガロングなサビでガッツポーズ。生駒で観たライブも素晴らしかった。


47.NF Zessho「Wonder Balloons」
[Japan, HipHop]
福岡市早良区在住のラッパー絶招の最新アルバムから。時代に左右されないシンプルなラップのかっこよさを彼はずっと維持している。"馴れ合いの成れの果てのJ-RAP 俺の部屋じゃ流れねえよ東京の定番" なんて歌詞から地方在住の尖りを感じたりも。


46.Charisma.com「Like it」
[Japan, HipHop]
カリスマさん最新アルバムから。オールドスクールなトラックに乗るメリヤスのラップはエレクトロニックなトラックよりも相性が良い。あっこゴリラとのコラボも良い内容だったし元々メリヤスは評価の高いフィメールMCだったので、全曲トラックを外注したアルバムも聞いてみたい。と思っていたら活動休止との一報が入り、少し納得がいった。


45.Kiddish「レイトショーの後に」
[Japan, Pop]
Soundcloudにてリリースを続ける女性宅録SSW。トレンドなシティ感とも親和性あるポップチューンを作り続ける彼女のリリースが毎月の楽しみになりつつある。先日初のライブも成功に終わったとのことなので、来年は正式な音源リリースにも期待。


44.タイプライター&YMG「Do U Wanna feat. LIPSTORM, YURIKA & ちゃんみな
[Japan, HipHop]
このメンツを揃えたことに意味がある感あったプロデューサーアルバムから。オールドスクールなビートにTHEフック感あるフックが懐かしさを感じさせる。


43.RihiTo × YUNGYU「Pretty Boy Fly」
[Japan, HipHop]
ネットラッパー(語弊があるかも)のリヒトとFAKAXAのヤンユウによるコラボアルバムから。パンチネロの同曲ジャックなこの曲は原曲よりさらにパーティ感を増したアレンジがGood。今年は韓国のヒップホップが国内からピックアップされる機会も増えていたように思う。


42.SEVENTEEN「Don't Wanna Cry」
[Korea, Pop/Electronic]
BTSやGOT7と並んで韓国ボーイズグループを牽引するセブチの4thから。エモーショナルなEDMチューンのこの曲を筆頭に各プロジェクトでもトレンドを意識したサウンドを量産し、音楽性のみであれば前述したグループの中でも1つ頭が抜けた印象。


41.SEOHYUN「Don't Say No」
[Korea, Pop/R&B]
様々なトラブルでどこか勢いに欠けたSM関連だったが、少女時代ソヒョンのこの曲はずば抜けていた。00年代R&B/Popを現行ビートでアップデートしたかのようなサウンドはさすがSM帝国といった感じ。


40.ちゃんみな「CHOCOLATE」
[Japan, HipHop]
練馬のビヨンセ()ことちゃんみなのメジャーデビュー作から。変にイキるこれまでの曲よりもK-Popをルーツとしていることが伝わるこの手のトレンドサウンドの方が彼女に合っている。


39.Attractions「KNOCK AWAY」
ex-JENNIFER ISOLATIONのメンバーによる新バンドデビュー作から。日本人離れしたUKインディ的サウンドが話題となりSpotifyにもピックアップされていた。今年の福岡はBINGO BONGOを中心に良いイベントやフックアップが多く楽しませてもらった。


38.Of Origins「Conquer」
[UnitedStates, Progressive/Metalcore]
シカゴのプログメタルコアバンドによる最新シングル。スラッシーに走りまくったあと後半ひたすらに落とし続けるというありそうでなかった展開はにやけるしかない。


37.Sleep Token「Calcutta」
[UnitedKingdom, Progressive/PostRock]
Basick Records所属の謎のコレクティブSleep TokenのアップカミングなEPからのシングル。チャートインバラードばりのメロに叙情パートやプログレッシブな展開を入れるアンバランスっぷりがGood。続々リリースされる楽曲が素晴らしすぎるのでアルバムが待ち遠しい。


36.GRAY「I'm Fine with SLEEPY, Loco & Hoody」
[Korea, HipHop]
AOMG集合的な豪華メンツのメロウチューン。Hoody嬢の入りからメロウすぎて最高だがこんな素晴らしい曲がTV番組のコンピに収録されているというのもなかなか。


35.Joey Bada$$「For My People」
[UnitedStates, HipHop]
ポリティカルなコンセプトアルバムとなった最新アルバムから。アルバムの中でも特に従来の路線とは異なるポップな作りにはなっているもののリリカルなメッセージ性が印象的な一曲。


34.野崎りこん「Ima」
[Japan, HipHop]
電波少女からの脱退や、OMSBとの邂逅など様々な出来事を経て術ノ穴からリリースされたりこんの初フィジカルアルバムから。独特のワードチョイスと抽象的な描写はそのままだが、謎にアジカンを彷彿とさせるようなこの曲のアプローチは特にツボ。


33.YELLADIGOS「Gold Kush」
[Japan, HipHop]
黄色い肌のインディゴチルドレンこと福岡のクルーによる最新シングル。オールドスクールなバッドボーイラップが主流の福岡から久しぶりに今の音を聞かせてくれるグループが出てきた。


32.Minzy「Flashlight feat. Jay Park」
[Korea, R&B]
元2NE1のミンジのカムバック作から。Groovy Roomをプロデュースにジェボムをフィーチャーという万全の体制で作り上げた極上のメロウチューン。本当に今年はGroovy Roomの年だった。


31.Kendrick Lamar「LOYALTY. FEAT. RIHANNA.」
[UnitedStates, HipHop]
今年も相変わらずベストアルバムレース独走中のケンドリック最新アルバムから。正直これは曲云々よりもMVに引き込まれた。しかし何年経ってもリアーナがいい女代表みたいになっているのは納得いかないが。


30.Vic Mensa「Homewrecker feat. weezer
[UnitedStates, HipHop]
Jay-Z率いるROC NATIONからのデビューとなったアルバムから。「Good Life」をサンプリングしつつ本人もゲストに迎えるという反則技。今年はグランジを筆頭に90年代ロックサンプリングが多かった印象。


29.SALU「夜に失くす feat. ゆるふわギャング (Ryugo Ishida, Sophiee)」
[Japan, HipHop]
客演仕事で幅の広さを見せつけるSALUの最新アルバムから。オーバーグラウンドでもフックアップされているゆるふわギャング(Automatic以外)をフィーチャーしMGMTサンプリングというトピックスに満ちた一曲。元ネタのチョイスが安直と言われていたりもするがシンプルに良い曲に仕上がってるので別に良いのでは。


28.DEAN「Come Over feat. Yerin Baek」
[Korea, R&B]
The InternetのSydとのコラボも話題を呼んだ韓国の人気シンガーによるらしさ溢れるスウィートなシングル。安定のクオリティで出す曲すべて外さない。今年はエスキモのリリースが多く楽しませてもらったがDEANのリリースはシングル2曲のみだったため物足りなさが多少ある。


27.Time, The Valuator「When I Meet Death」
[Germany, Progressive/PostHardcore]
優良メロディックバンドを続々輩出するDreambound所属のバンドによるアップカミングなデビューアルバムからの2ndシングル。王道的な叙情系サウンドをベースにしつつもチャートインも狙える普遍性を兼ね備えたシーンにとって貴重な存在。デビューアルバムで一気にブレイクか。


26.04 Limited Sazabys「Squall」
[Japan, MelodicPunk]
中高生のアイドルとなってしまった感のあるヒョーリミ新曲も抜群のメロディ―メイカーっぷりで素晴しい。WANIMA含めメロディックをルーツとするバンドの活躍は、数人の客しかいなかった時代を知っている身として素直にうれしい。


25.向井太一「空 feat. SALU
[Japan, Pop]
若きSSWの最新シングルはBrasstracksライクなピースフルな1曲に。途中に入るSALUのラップは完全に実質チャンスなフロウをみせ、いよいよ日本でもこの手のサウンドがスタンダードになりつつあるのを感じる。


24.HAIM「Want You Back」
[UnitedStates, Indie]
朝聞くといい日になりそうな気分になるソングオブザイヤー。


23.DJ Khaled「I Love You so Much feat. Chance the Rapper」
[UnitedStates, HipHop]
今回も豪華メンバーを迎えたDJ Khaledの最新作から。チャンス名義で出してもおかしくないような(というかディレクションはチャンスが握っていそうな)、Jackson5サンプルにゴスペルライクな展開を入れたチャンス印な一曲。嫌いな人いないのでは。


22.Kamaiyah「Build You Up」
[UnitedStates, HipHop]
XXLフレッシュマンにも選出されたフィメールMCカマイヤのシングル。NJS感全開なトラックが彼女らしくて良いが、最後のヴァースではフロウも90年代に寄せてくるという展開に痺れる。


21.Tom Misch「South of the River」
[UnitedKingdom, Pop]
ロンドンのSSWによる最新曲。昨年スマッシュヒットとなった「Crazy Dream」とはうってかわり、ストリングスとギターが絡み合うダンサブルな一曲に。食傷気味なこの手のサウンドも少しの味付けでまだ新鮮に聞ける。


20.Rina Sawayama「Cyber Stockholm Syndrome」
[UnitedKingdom, Pop]
ロンドン在住のモデル/シンガー リナ・サワヤマの最新曲。デジタル世代の憂いをポジティブに解釈しドラマティックに歌い上げたインターネットアンセム。デビューアルバムが待ち遠しい。


19.King Gnu「McDonald Romance」
[Japan, Alternative]
突如現れたトーキョーニューミクスチャースタイルバンドことキングヌーのデビュー作から。突如現れたと言いつつもSrv. Vinciから改名しただけだが、アートロック的趣きが強かった以前に比べ良い意味でのポップさも手に入れて一躍話題のバンドに。次作が勝負か。


18.RhymeTube「群衆(midnight) feat.文鳥
[Japan, HipHop]
ネット上で活動を続けるRhymeTubeと文鳥による新曲。結局何者にもなれなかった現状と自分なりの着地点を探し続ける姿を描写するVerse2が秀逸すぎる。何年も前から文鳥というラッパーを天才だと思っているがこんなに等身大な歌詞もかけるのかと驚かされた。


17.TOKYO HEALTH CLUB「supermarket」
[Japan, HipHop]
THC最新EPから。Manhattan Recordsからのリリースとなった前作と比較し、本作ではよりエヴァーグリーンさを意識して作られたようにも感じる。止まることのない欲求と虚無感のアンバランスさをキャッチーに描写する表現力はさすが。


16.chelmico「ずるいね」
[Japan, HipHop]
もう説明は不要なほど登りつめた感ある2人による最新作から。全体的にゆったりとしたEPの中でも特にメロウなこの曲がずば抜けていた。なんだかんだで敬遠されていたラブソングがまた増えてきた感じがする。


15.Lil Uzi Vert「XO TOUR Llif3」
[UnitedStates, HipHop]
「Bad and Boujee」客演でも知られているフィラデルフィアのラッパーによるヒット曲。元カノのことや自身のスタイルを模倣されることについてラップしている内容も話題だが、シンプルにキーを上げて歌う2回目のフックが良い。今年はマンブルラップを筆頭に新しいラッパーが続々現れたので追いかけるのが大変だった。


14.Mad Clown「Lost Without You feat. Bolbbalgan4」
[Korea, Pop/HipHop]
韓国の童子兄さんなのかはわからないが女性シンガーとのコラボを立て続けにリリースするMad Clownによるボルパルガンとのコラボ。ボルパルガンが絡めばすべて間違いないかのようにキャッチーなフックが素晴らしい大ヒット曲。とにかく街中でかかりまくっていたので、この曲を聞くと釜山を思い出す。


13.劇場版ゴキゲン帝国「I NEET YOU」
[Japan, Pop]
ゴキ帝のインディーズベストから。アイドル版キュウソのようなコミカルなアプローチが主軸で、この曲もその延長上にあるクズな内容ではあるものの "好きなこと全部やっちゃおう" という歌詞が何故か泣けてくる。


12.yahyel「Iron」
[Japan, Electronic]
DATSのメンバー擁するヤイエルの最新シングル。スケール感あるインディR&Bライクな曲調で進みつつ後半で一気に加速させプツリと切れる展開に痺れる。しかし彼らの魅力は音源だけではその半分も伝わらないだろう。サウンドとVJによって聴覚と視覚をすべて世界観で満たしていくライブは間違いなく今年一番の衝撃だった。


11.Qiezi Mabo loves PUNPEE「Qiezi Mabo Forever (Fried Chicken Mix)」
[Japan, HipHop]
彼の正体についてもう今さらなので書かないが話題のチェズマボ最新曲。ラップ、ビート、MVまで各々が自由なアートフォームで表現しつつ統一感が取れていて、こんなコンテンツが日本のポップスとして成り立つようになっていくとおもしろくなるなと。彼が本格的に再始動したことは今年の国内ラップでも大きな収穫だった。


10.C.O.S.A.「Girl Queen
[Japan, HipHop]
Summitからリリースされた知立のラッパーによるEPタイトルチューン。Aru-2のビートとエモーショナルなラップがマッチしすぎている。いかにおもしろく言葉を乗せるかというゲームとなった今のラップシーンではあるが、聞くときの心境でしみこむ言葉が変わる彼のようなラップを求めてる人もきっと多い。

Girl Queen

Girl Queen

  • C.O.S.A.
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

09.Kojoe「BoSS RuN DeM feat. AKANE & Awich」
[Japan, HipHop]
Kojoeの4年半ぶりにリリースされたアルバムから。Kojoeが途中からラガフロウにシフトしたと思えばそのままレゲエシンガーのAKANEにパスし、YENTOWNのAwichは相変わらず怒りをむき出しにしたラップと圧倒されたまま終わる。インパクトだけなら今年イチ。


08.IU「Palette feat. G-DRAGON」
[Korea, Pop/HipHop]
韓国のシンガー IUの4thアルバムからジードラヨンを迎えたタイトルチューン。ゲストの話題性もあるものの、何より彼女の歌唱力とフックのメロディが極上すぎる。tofubeatsが地上波でピックアップしたことでも話題となった今年のK-Popベストトラック。


07.evening cinema「わがまま」
[Japan, Pop]
TOWER RECORDSとAno(t)raksの共同レーベルLUCKからのリリースとなった2nd EPから。前作ではトレンド感あるAORサウンドを展開していたが、この曲では岡村靖之ばりのくどいポップさを押し出してきた。こちらも地上波でピックアップされたことで話題に。


06.Alter Eago「Secret Moment」
[Japan, Electronic]
福岡のシンセポップユニット/バンドの最新曲。ミニマルに始まりつつ終盤に向かうにつれインディR&Bやシューゲイズなどもちらつかせる展開が極上。特にローカルというものを意識するシーンではないが、地元からこういったアクトが現れたことはシンプルにうれしく思う。


05.STUTS×SIKK-O×鈴木真海子「0℃の日曜」
[Japan, HipHop]
MPC奏者STUTSとTOKYO HEALTH CLUBのSIKK-O、chelmicoの鈴木真海子によるEPから。どこか白日辺りのRIP SLYMEを彷彿とさせる緩やかさが心地よく毎朝聞いてしまう。相変わらずニヤっとさせる引用使いのSIKK-Oと滑らかなフロウをモノにした真海子ちゃんのラップはポップスとしても理想的すぎる。

0℃の日曜

0℃の日曜

  • STUTS×SIKK-O×鈴木真海子
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

04.Awesome City Club「青春の胸騒ぎ」
[Japan, Pop]
サンクラ時代から追ってる身としては最近の方向性に多少疑問があったのは事実だが、この1曲ですべて帳消しになった。いつの時代もあるようなあの頃に戻れたらという哀愁ソングを現代の東京で鳴らし、彼らなりの普遍的なポップソングを作り上げた。Awesome City Tracksシリーズも終わらせた今年、次の一手も楽しみだ。


03.FARMHOUSE「BACK TO REALITY」
[Japan, HipHop]
今年もっとも注目を浴びた国内ラップグループと言っても過言ではないSUSHIBOYSのFARMHOUSEソロ。Nujabesのビートに乗る彼のフロウは心地よい英語風日本語フロウをさらに上の次元へと持ち上げている。本隊のコミカルな路線を主軸にソロでもこういった活動を続けていって欲しい。


02.SHIMPEI「How are you feeling」
[Japan, HipHop]
トウキョウトガリネズミの徳島のラッパーによる1stから。特筆することはない、それのみで成り立つMUDDY THUMBの素晴らしいビートにSHIMPEIが等身大で皮肉混じりのラップを乗せる。いつの時代もこういうラップが常にかっこいいし残っていくのだと思わされる。


01.鈴木真海子「Contact TOSHIKI HAYASHI(%C) remix」
[Japan, HipHop]
chelmicoの真海子ちゃんソロからパーシーのリミックス。原曲よりも柔らかいトラックと真海子ちゃんの持ち味でもある滑らかなフロウが相まって抜群の心地よさではあるが、リリックはもう良い結末が待っていないことをわかりつつも期待してしまう淡い心境を描く(レイチェルの経験談が元ネタらしい)。C.E女子は最高。