Memo.45 (City Popのその後)
もはや肯定的な意味で使われなくなったテン年代シティポップという括り。代表的なバンドとしてはcero、Suchmos、Yogee New Waves、never young beach、Lucky Tapes、Awesome City Clubなど。ブラックミュージックをベースとしたポップバンド、または渋谷系の系譜とされるバンドをまとめてシティポップと評したことでその言葉が一人歩き。Suchmosは「Pacific」の中で "cityなんかよりtownだろ" と歌い、Yogee New Waves角舘はインタビューでその括りに対して苦言を呈し、Awesome City Clubは意図的にその音楽性から離れたポップバンドへと変化していき、バンド側からも聞き手側からもその括りをなくそうという動きが見られます。サチモスみたいな髪型したリーマンが溢れ出し、インディロック/パンクやヒップホップ人気に押されシティポップは死んだのかと思われてたんですが、なぜか最近になってまた新しいバンドが出て来たように感じたのでちょろっとメモ。
■フレンズ
まずは中堅バンド。THEラブ人間、HO17、the telephones、The Mirrazなどのメンバーによるドリームバンドがど直球にシティポップで話題。住所不定無職のメンバーによるソウル/ディスコバンドMagic, Drums & Loveや、くるりも「琥珀色の街、上海蟹の朝」で大きくシフトするなど中堅バンドからシティポップ方面への歩み寄りが見られます。
■umber session tribe
以前ヒップホップバンドまとめでも取り上げた彼ら。SANABAGUNや韻シストの人気が大きいとか思いますが、ブラックミュージックテイストあるバンドとヒップホップブームからしてヒップホップバンドが今後増えていくだろうなということは予想されます。個人的に路上ファンクは要注目かと。その他バンドに関しては「Memo.26 (Japanese Hip Hop Band)」を。
■evening cinema
数々のインディポップバンドを送り出し、シンリズムなどシティポップSSWも輩出したAno(t)raksからのデビューとなったAORバンド。今度彼らの出演する「DANCE DANCE DANCE?」というイベントに行くんですが、先述した路上ファンクやフォトハイ、AUSTINESなども出るので楽しみです。
■AFRICA
本人たちからすると不本意かもしれないですが、はっぴいえんどに影響を受けたということでyogeeやネバヤンの次に注目されそうなのが彼ら。特徴的なボーカルが耳に残ります。ラヴミーズとかもこの系譜で注目されるかもしれないですね。
■1983
最近話題の1980年代生まれの東京発5人組シティポップ楽団 (自らシティポップを名乗るのも珍しいですね)。oono yuuki、森は生きている、王舟のバンドメンバーが集結したバンドなのでシティポップを名乗りつつもブルース、カントリー要素が強い印象です。
■Natsu Summer
今回紹介する中では本当の意味でシティポップの今後を表していると思います。流線形のクニモンド瀧口がプロデュースするシティポップレゲエシンガー。偶然かはわかりませんが世界的にもレゲエが盛り上がりつつあるタイミングで、レゲエとシティポップをクロスオーバーさせる嗅覚が本当に素晴しいです。要注目。
■hyukoh
先日SUMMER SONIC 2016で来日した韓国のバンドhyukoh (ヒョゴ) が高評価だったので最後に紹介しておきます。再来日期待したいですね。