Memo.65 (2017 Best Albums (So Far))

30.Alfred Beach Sandal + STUTS「ABS+STUTS」
[Japan, Pop/HipHop]
MPC奏者STUTSの「Pushin'」で抜群の相性をみせていた2人によるコラボ作。「Sail Away」から想像できる心地よいブレイクビーツに乗るビーサンという想像をそのまま期待通り叶えてくれているEP。

ABS+STUTS - EP

ABS+STUTS - EP

  • Alfred Beach Sandal + STUTS
  • J-Pop
  • ¥1200

 

29.野崎りこん「野崎爆発」
[Japan, HipHop]
彼のことはもう5年以上前から聞いているだけに、術ノ穴から初のフィジカルリリースとなったこのアルバムは感慨深いものがある。癖のあるワードチョイスによる抽象ラップは健在で、「ネオサイト神樂」再録と何故かアジカン風に聞こえる「Ima」が少しツボる。Summitから出ていたらどれだけ痛快だったかと思ったりもするが、特にディレクションされることなくリリース出来ている今の環境でより深い世界観を出してくれることを期待。

野崎爆発

野崎爆発

  • 野崎りこん
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1500

 

28.EXID「Eclipse
[Korea, Pop/R&B]
Banana Cultureの5人組による3rd EP。大ヒットした「Night Rather Than Day」や現行EDMライクな「How Why」、終盤のソロ2曲ではアーバンな一面をみせて締めるなどそれぞれ違ったアプローチの曲を揃えた一枚に。フルメンバーでのカムバックが待ち遠しい。

Eclipse - EP

Eclipse - EP

 

27.阿佐ヶ谷ロマンティクス「街の色」
[Japan, Pop/Rocksteady]
早稲田大学出身の男女混合6人組バンドの1st。歌謡曲×ロックステディなゆったりとしたサウンドに日常の温かさが詰まったアルバム。レゲエオリエンテッドなサウンドが注目を集める中、こういった解釈で作られた音楽は日本らしさが出ていて良い。

街の色

街の色

  • 阿佐ヶ谷ロマンティクス
  • J-Pop
  • ¥1800

 

26.Sik-K「H.A.L.F (Have.A.Little.Fun)」
[Korea, HipHop]
Jay ParkとCha Cha Maloneが設立したH1GHR MUSICからの第一弾リリースとなったSik-Kの新作。CrushとGroovy Roomという万全の体制で作られた「party (Shut Down)」を筆頭にJay Park、DPR LIVEにWOOGIEなど豪華メンツを揃えた韓国ヒップホップのメインストリームが詰まった一枚。得意のメロウさとトレンド吸収のバランスが素晴らしい。

 

25.by the end of summer「Laughing e.p.」
[Japan, Emo/MelodicPunk]
京都発ナード系4人組エモ/メロディック バイサマの1st EP。しゃがれたボーカルに泣きのギターというツボを押さえたサウンドでおっさん達を泣かしにかかってくる。「Buzz Lightyear」再生1秒からのエモさは本当に最高。


24.DispersE「Foreword」
[Portland, Progressive]
Destrageとの来日ツアーも大成功に終わったモダンプログバンドの3rd。若きギターヒーローJakub Zyteckiを擁していることも話題だが、ギタープレイをフィーチャーしたメタルというよりもジャズ/フュージョンをも取り込んだプログレッシブなポップスといった印象。特に神秘的なコーラスをサンプリングしたオープニング「Stay」は今年を代表する一曲なのでは。

Foreword

Foreword

  • DispersE
  • メタル
  • ¥1650

 

23.Sampha「Process」
[UnitedKingdom, R&B]
FKA Twigsらを輩出したYoung Turksからのリリースとなったロンドンのシンガーのデビュー作。アルバムを通して温かく包むような、一聴しただけで彼とわかるハスキーな声は「(No One Knows Me) Like the Piano」で優しく、「Blood On Me」では力強く歌われる。個人的にはMacy Grayネタの「Timmy's Prayer」がグッと来た。

Process

Process

  • サンファ
  • エレクトロニック
  • ¥1500

 

22.sora tob sakanacocoon ep」
[Japan, Pop/PostRock]
ハイスイノナサ照井順政プロデュースでも話題のオサカナ1st EP。前作からの流れでポストロック/マスロックなアプローチをベースに今回はフューチャーベースやフットワークも取り込んだ意欲作。ポストロックシーンにも存在しない実験的なアプローチとともに、紡がれるジュブナイル的物語を少女たちに歌ってもらう構成は、アイドルを大人の自己満足として完結させない理想的なかたちだ。

cocoon ep

cocoon ep

 

21.CHON「Homey」
[UnitedStates, Progressive/Math/Jazz]
シーン外からも注目を集めるSumerian Record所属インストバンドの最新作。本作でもテクニカルながらも爽やかさ溢れるサウンドが繰り広げられるが、「Nayhoo」ではR&Bテイストを強め、トレンドのビートアプローチをみせる「Feel This Way」「Berry Streets」などより幅広く進化。あまりの心地よさから一部からプログレッシブチルと呼ばれていたりも。

Homey

Homey

  • Chon
  • ロック
  • ¥1600

 

20.MONYPETZJNKMN「磊」
[Japan, HipHop]
YENTOWNの顔的3人組による初のフルアルバム。チーチ&チョンオマージュな420曲「UP IN SMOKE」や、宇宙感じる浮遊感が凄まじい「SPACY」など、重心の低いChaki Zuluのビートがさらに破壊力を増している。

磊

  • MONYPETZJNKMN
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1800

 

19.Lolica Tonica「Eyes on you」
[Japan, FutureBass/2Step]
TREKKIE TRAXからリリースされた「Make Me Feel」がアンセムとなった2人組による最新作。Maltine Recordsからのリリースとなった本作は従来のフューチャーベースと2ステップをクロスオーバーさせた新機軸。フリー。


18.ゆるふわギャング「Mars Ice House」
[Japan, HipHop]
シーンを超えて大ブレイク中の3人組による1stフル。「FUCKIN CAR」のインパクトやLil Yatchyとの対比などで語りたくなるトレンドライクな一枚であるとともに、郊外に住むある男女の日々をシネマティックに描いたロマンティックなアルバム。KREVAやSALUのフックアップもあり、KOHHクラスのブレイクも期待。

Mars Ice House

Mars Ice House

  • ゆるふわギャング
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1800

 

17.WOMAN「Nude」
[Japan, PostRock/PostDubstep]
tayutaとThe Sound's Pierrerのメンバーによる新バンドWOMANの1st EP。国内でもミニマルなサウンドが注目を集めている中、ポストロック側からのアプローチが出てきた。ポストロックを出自とするからこその叙情性はインディR&Bのそれとはまったく異なる質感で新鮮に聞こえる。


16.Migos「Culture」
[UnitedStates, HipHop]
ここ数年のラップミュージックのトレンドを牽引するMigosがチャートアクション的にも評価を得たブレイク作。「T-Shirt」「Bad and Boujee」などの大ヒット曲を収録し、特徴的なフロウとコミカルな合いの手で意味がわからずとも楽しく聞ける。宣言通り来年のグラミー獲得なるか注目。

Culture

Culture

  • ミーゴズ
  • ヒップホップ
  • ¥1600

 

15.BackWordz「Veracity」
[UnitedStates, NuMetalcore]
Stay Sickからリリースされた黒人ボーカルバンドのデビューフル。「Self Ownership」を筆頭に当時のニューメタルバンドが歌いそうなメロディとメタルコア様式美サウンドを混ぜ、現行の音数を抜いたトラックにオンで乗せたりと随所でただのリバイバルではないアプローチが目立つ良作。国内においてはようやくヒップホップ再ブームとなっている今、この手のサウンドがリバイバルするのは少し早すぎた感も。

Veracity

Veracity

  • BackWordz
  • ハードロック
  • ¥1650

 

14.PRISTIN「Hi! Pristin」
[Korea, Pop]
PLEDIS Girlz改めPRISTINのデビュー作。「Wee Woo」を筆頭に各曲で韓国らしいジャンルレスなアプローチで楽しませてくれる。シングルクラスの曲たちに続き「Over N Over」で泣かしにかかった後、PLEDIS Girlz時代の「We」で締めるのはずるい。

Hi! Pristin - EP

Hi! Pristin - EP

 

13.JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB「OFF THE WALL」
[Japan, HipHop]
目覚ましい活動を続けるOMAKE-CLUBからジャバの最新作。露骨なほどFGからの引用を織り混ぜつつ、この時代だからこそ表現出来るワードチョイスや幅広いバックボーンを感じさせる多様性ある一枚に。OMAKE-CLUBが10年代のFGとなるのも近いでは?という誰もが抱いた期待を現実的なものとしてくれた。

OFF THE WALL

OFF THE WALL

  • JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1050

 

12.環ROY「なぎ」
[Japan, HipHop]
KAKATOや蓮沼執太フィルなどの活動を経た4年ぶりの復帰作は、日本語の表現を突き詰めた過去最高のアルバムに。先行公開されていたOBKR & Taquwamiとの「ゆめのあと」からAru-2との「フルコトブミ」への締め方が心地よい。

なぎ

なぎ

  • 環ROY
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1800

 

11. PassCode「bite the bullet」
[Japan, PostHardcore/Electronic]
大阪発EDM+ラウドアイドルによる最新シングル。全3曲のコンパクトな構成ながら、和製アンジェラ・ゴソウの如く叫ぶちゆなのパフォーマンスの向上と、ライブでの再現を度外視したエクレクティックな展開に痺れる。「カタルシス」でのエモーショナルな一面は物語の最中にいる彼女たちの本質でもあり、エモ/スクリーモシーンを通ってきた製作陣のルーツでもあるのだろう。

Bite the Bullet - EP

Bite the Bullet - EP

 

10.evening cinema「A TRUE ROMANCE」
[Japan, Pop]
TOWER RECORDSとAno(t)raksの共同レーベルLUCKからのリリースとなった2nd EP。前作はトレンド感あるAORサウンドだったが、本作ではタイトル通りロマンスをダンサブルなポップチューンに乗せた路線変更に大成功。岡村靖之ばりのくどいポップさを押し出した「わがまま」が痛快すぎる。

A TRUE ROMANCE - EP

A TRUE ROMANCE - EP

  • evening cinema
  • J-Pop
  • ¥1500

 

09.柴田聡子「愛の休日」
[Japan, Pop]
注目の女性SSWによる最新作。くるり岸田繁プロデュースの「ゆべし先輩」「遊んで暮らして」や「大作戦」など独自のセンスの癖になるフレーズが散りばめられたやるせなくも楽しいアルバム。曲が良いというのはもちろんだが、柴田聡子という人間に興味が沸く素敵な一枚。

愛の休日

愛の休日

  • 柴田聡子
  • J-Pop
  • ¥1800

 

08.KID FRESINO「Salve」
[Japan, HipHop]
NYから日本へ帰国しFla$hBackS脱退(?)というトピックスも含め今年も騒がせている佐々木の最新作。新たなインスピレーションを得るため全編でゲストを迎えバンドサウンドに手を出した心地よい一枚。茂千代との「by her」で見せるストレートなラブソングまで武器にされたらもう敵なし。

Salve - EP

Salve - EP

  • KID FRESINO
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥900

 

07.JJJ「HIKARI」
[Japan, HipHop]
年明けから3ヶ月連続でリリースされたFla$hBackSメンバーのソロ作の中でもJJJのアルバムは頭抜けていた。初っぱなから鋼田テフロンを起用した「BABE」、メロウな「PLACE TO GO」、STICKYを招いた「ORANGE」などなど文句なしの傑作。この3人が揃った曲はもう作られないのだろうか。「2024」が素晴らしすぎるが故に余計にそう思ってしまう。

HIKARI

HIKARI

  • JJJ
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1650

 

06.唾奇 x Sweet William「Jasmine」
[Japan, HipHop]
話題のクルーPitch Odd Mansionから沖縄のラッパー唾奇と名古屋のトラックメイカーSweet Williamによるコラボ作。隠すことなく自らのクソな人柄を表に出した「Made My Day」、注目のシンガーkiki vivi lilyを迎えた「Good Enough」、某曲と同ネタの「白内」など全編メロウでゆったりと聞けるアルバム。「Same As」などから彼らの相性が抜群であることはわかっていたが、ここまでの傑作を作ってくるとは。

Jasmine

Jasmine

  • 唾奇 x Sweet William
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1650

 

05.D.A.N.「TEMPEST」
[Japan, Electronic/Minimal]
昨年末にリリースされた「SSWB」が多くの注目を集めた4人組による最新EP。ディープハウスからの影響を感じるミニマルなサウンドにスティールパンがキャッチーに響く。海外っぽい音を出すことは簡単で、世界的にも存在しない音を出さなければ埋もれてしまうという自覚の元に作られた音楽はミニマルながらとても攻撃的だ。

TEMPEST

TEMPEST

  • D.A.N.
  • エレクトロニック
  • ¥1200

 

04.Eternity Forever「Fantasy EP」
[UnitedStates, Progressive/Soul]
ex-CHON、ex-Dance Gavin Danceのメンバーを擁するドリームバンドのデビューEP。D'AngeloやKendrick Lamarに影響を受けたメンバーによるモダンプログは、ブラックミュージックの心地よさとテクニカルさが混ざり合う最高の一枚に。まずは「Fantasy」を。4曲じゃ全然足りない。

Fantasy EP

Fantasy EP

  • Eternity Forever
  • ロック
  • ¥800

 

03.Maison book girl「image」
[Japan, Pop]
サクライケンタとコショージメグミを中心として結成された現代音楽+変拍子ポップグループによるメジャー1stアルバム。「faithlessness」「blue light」などのマス向け曲と共に10分超のインストやポエトリーリーディングなどブクガの世界観がよりディープに表現された素晴らしい一枚。バンドシーンとのクロスオーバーも増えてきたが、個人的にはアパレルの本格展開を期待。

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02.tofubeats「FANTASY CLUB」
[Japan, Pop/Electronic/HipHop]
良くも悪くも都会と郊外、インターネットと現実という二極化した環境のフラストレーションを吐き出した内省的な最新アルバム。ここ数年ライブのクロージングとしてプレイされていた「BABY」念願の音源化ではあるが、YOUNG JUJUがベストな客演をみせる「LONELY NIGHTS」は間違いなく今年を代表する一曲。

FANTASY CLUB

FANTASY CLUB

 

01.HOOLIGANZ「Tune Up Holiday」
[Japan, HipHop]
神奈川の多国籍ユニットHOOLIGANZとThe R.T.L Bandによるヒップホップバンドプロジェクト。「踊りませんか」「Sonomama De ii」「Another Day Goes By Pt.2」など本当に気持ち良い曲が揃った気持ち良いアルバム。特別彼らに思い入れがある訳でもないので、こんなにこのアルバムを聞くことになるとは思わなかった。とはいえこのアルバムをきっかけに思い入れのあるグループになるのか。

Tune Up Holiday

Tune Up Holiday

  • HOOLIGANZ
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1650