Memo.98 (Sound of August 2019)
■Tracks
10.折坂悠太「朝顔」
[Japan, Folk/Pop]
09.DENIMS「夜にとけて」
[Japan, Rock]
08.Lucky Kilimanjaro「初恋」
[Japan, Dance]
07.Ariana Grande & Social House「Boyfriend」
[UnitedStates, Pop/Soul]
06.HAIM「Summer Girl」
[UnitedStates, Indie]
05.chelmico「Balloon」
[Japan, HipHop]
04.SKY-HI×SALU「Goodbye To The System」
[Japan, HipHop]
03.Stray From The Path「Fortune Teller」
[UnitedStates, Hardcore]
CRYSTAL LAKE企画で10月に来日が決まっている現代版RATMことSFTPのシングル。今回も安定の血管ぶち切れ系ボーカルとフックのきいたギターで一気に持っていく。CounterpartsのBrendan Murphyをゲストに招いた「Kickback」も公開し、11月リリース予定の新作が楽しみでしょうがない。
02.Age Factory「CLOSE EYE」
[Japan, Alternative/Hardcore]
前作「GOLD」が話題となった奈良の3人組による最新シングル。前作までは骨太で焦燥感あるオルタナティブロックというイメージも強かった彼らだが、この曲では問題提起のように言葉を羅列したハードコア/ラップメタル感あるアプローチ。あと2曲のリリースも控えているのでそちらも楽しみ。
01.maeshima soshi「Nicole (feat. maco marets)」
[Japan, HipHop]
City Your Cityのk-overをフィーチャーした「slide」も話題になったササクレクトのプロデューサーmaeshima soshiによる2ndシングル。ある夏の夜クラブで出会った男女のワンシーンを切り取るmaco maretsのラップと、ギターループが心地よいトラックの相性が抜群。彼の夏の歌として室見川と並ぶほど気に入ってしまった。maco maretsは今年に入ってLITEやTOSHIKI HAYASHI(%C)など客演仕事が活発でうれしい。
■Albums
10.Clairo「Immunity」
[UnitedStates, Pop]
09.Kisum「Yeah!Sool」
[Korea, Pop/Rap]
08.Slipknot「We Are Not Your Kind」
[UnitedStates, Metal]
07.RICK NOVA「PHENOMENON」
[Japan, HipHop]
06.Taylor Bennett「THE AMERICAN REJECT」
[UnitedStates, HipHop]
05.ベゲfastman人「WELCOME TO BLACKTOWN」
[Japan, HipHop]
04.Bon Iver「i,i」
[UnitedStates, Folk/Indie]
03.WONK「Moon Dance」
[Japan, Experimental/Soul]
東京発エクスペリメンタルソウルWONK 2年ぶりの新作。様々な外仕事を経てリリースされたEPは次作のアルバムへと続くコンセプチュアルな作品に。先行カットされた「Orange Mug」、The Internetからの影響もちらつく「Sweeter, More Bitter」、ディアンジェロリスペクトな「Mad Puppet」など短いながら期待通りのクオリティ。久々に観たライブもイントロからアウトロまでの流れや会場演出含めこのEPをさらに掘り下げる内容かつメンバー関係の良さが伝わる和やかなライブで大満足(以前のようなピリッとしたセッションもまた観てみたいが)。
02.松木美定「主観」
[Japan, Pop]
ジャズをベースにしたサウンドにキャッチーなメロディとユーモアある歌詞が話題となり一気に国内SSWの注目株となった松木美定(まつきびてい)による3曲入り1stシングル。「シゴトップス」の自堕落な欲望は誰もが共感しわらってしまうだろうし、"言うなれば 人生は有機物" という歌詞も印象的な「実意の行進」は刻み続けるドラムとピアノが終盤に向かいセッションのように高揚感を煽っていく。ラストの独自の価値観がユニークな現行ポップス「主観」までフルレングス作を期待させるには十分の内容。参考元楽曲をブログで公開しているのもおもしろい。交流もある浦上想起やMON/KUらをまとめて括るのが適切かはわからないが、2019年は間違いなく彼らを中心として回っている。
01.野崎りこん「Love Sweet Dream LP」
[Japan, HipHop]
元電波少女のメンバーでOMSBが注目したことでも知られているネット界の異端児こと野崎りこんの2ndフル。唐突でユーモアあるネームドロップで笑わしに来たかと思えば、歪曲した自らのコンプレックスをぶちまけ、物語を切り取ったノスタルジックな風景描写をみせたりと りこんらしさ/ネットラップらしさが詰め込まれた快作。吉沼によるシリアスなビートの「ナイト・ダイブ」、"きのこ帝国とDOOM(MF DOOM)を配合" というラインも印象的なネームドロップ曲「Yo」(トラックは釈迦坊主)、終盤のRhymeTubeによる現行メロウな「Lucy Lucy」~リアルな自己言及「Out of the Loop」までネットラップの人脈をフルに活かした楽曲を並べる。それ以外にも同世代直撃なジュブナイルストーリー「Pinky Cloud Castle」、神尾けいとの「空を分かつ」「4 am」などでのシーンを切り取った風景描写は特にこのアルバムのキーとなっている。衝撃を受けた「ハッピーエンド。」からもう8年、あの頃バカにされがちだったネットラップの空気をそのままにこのタイミングでネットラップの本気を見せつけてくるのは痛快すぎる。